PREXスタッフのコラム
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<研修レポート>研修事業は、変化している(2017年2月)

研修事業は、変化している

私がPREX で働き始めた1990 年代初め、PREXは主にアジアの国々に対する研修事業を実施していました。当時は中国からの研修員が一番多かったのですが、経済発展の面では日本との間にまだ隔たりがあり、研修員の中には、支給された日当を節約するため、食事を十分にとらない方もあったほどです。それが今ではGDP で中国は日本を追い越し、東南アジアをはじめとする途上国も目覚ましい成長を遂げつつあり、私たちの実施する研修事業も、日本の経験に学んでもらうというものから、お互いに学びあうものへと変化してきています。

経験を共有し学びあう場

9-10 月に実施した「JICA 観光人材育成研修おもてなし」は、途上国の経済発展を支える柱の一つである観光産業におけるサービスの質を、日本の優れた「おもてなし」を参考に、より向上させるための人材を育成するという目的で企画されたものです。「日本の優れたおもてなしとは、何だろうか?」という問いに対する答えは多様にあり、またそれぞれの国の事情も異なり、そのままの形で持ち帰ることはできません。実施に当たっては、研修員が自ら考えるとともに、他の国の研修員や日本人とのディスカッションを通じて理解を深める形としました。参加した各国の研修員は、日本のおもてなしの事例紹介を通じて、自国のおもてなしの素晴らしさを再認識し、お互いの経験を共有しながら学びあうことができました。(研修員の声は次ページで紹介しています)

アセアンの経済人との学びあいの場

11 月末に実施した関経連主催の「関西アジアフォーラム」は、東南アジアの経済団体代表者に、日本で実施するべき人材育成のテーマについて意見をいただくことが主な目的でした。参加者からは「自分たちも日本に学ぶが、日本も自分たちに学ぶべきところがある(特にインターネット接続環境と、英語力について!)」との意見が寄せられました。
関経連は長年アセアン地域の経済人に対する人材育成研修を実施しており、PREX 設立後はPREX が実務を担当しています。研修のテーマも日本的経営を学ぶ内容からスタートし、最近では環境問題などグローバルな課題を取り上げています。
世界の政治も混迷の度合いを強めている昨今、各国の行政官や経済人との人的なネットワークを築き、日本を理解するファンをつくることのできる研修事業は、今後の日本にとって重要な役割を担っていると感じます。この事業に、もっと多くの日本人が研修員と一緒に学び、交流できる機会を作ることができれば、さらに意義が深まると考えています。



【研修レポート】フェイスブックを立ち上げたヨルダンの研修員と「省エネ大賞」(2016年12月)

7 月に実施の「JICA 省エネ技術と技術普及のための行政の取り組み」研修を担当しました。研修に参加したのはフィリピン、ヨルダン、パレスチナ、ブラジル、セントビンセントの電力会社の社員で、ビルや工場の中での省エネ設備や日本が推進する省エネ政策について学びました。
私が嬉しかったのは、研修最終日です。研修員は具体的で期待以上のアクションプランを発表してくれ、「PREX が意図していることが伝わっていたのだ!」と実感しました。
中でも、ヨルダンの研修員には驚かされました。27歳の電力会社の方でしたが、研修中は集合時間に遅れてくるし、工場見学の時もいつも一番最後をゆっくり歩いていました。提出物もなかなか出してくれません。その彼が、研修中に「省エネ情報発信のためのフェイスブックページ」を立ち上げていたのです。フェイスブックでの発信は、 本人のアクションプランにも記載されていた項目のひとつでした。日付を見ると7 月中には準備をしていたようで、この素早さは、研修中の様子からは思いもしないことでした。彼が省エネについての情報発信の必要性を強く感じていることがよくわかりました。
途上国にとっては、省エネは最優先課題ではありません。研修員の周りには、省エネに関心のない人や、やらなくても大丈夫と思っている人も多いと思います。研修員からは、「国は、経済成長を第一に考えているので、電力を使うことには予算がつくが、省エネには予算がつかない、まして、民間企業の場合は予算がつかない」という話をよく聞きました。途上国で省エネを推進するにはどうしたらいいのか、私も研修員と一緒に学び、考えました。
日本の行政が取り組んでいる事例の中で「省エネ大賞」は、途上国でも取り入れやすく、効果があるのではないかと私は考えています。各国で「省エネ大賞」を導入すれば、民間の省エネも少しずつは推進できるのではないでしょうか?

JICA 省エネ技術技術普及のための行政の取り組み(A)研修の研修員の皆さん。左から2 人目がヨルダンのアナスさん。   ヨルダンの研修員が立ち上げたフェイスブックページ。



【研修レポート】省エネに必要なのはお金ではなく人の意識

省エネに必要なのはお金ではなく人の意識

10月に実施した「JICA省エネ技術と技術普及のための行政の取り組み研修」を担当しました。
エジプト、カザフスタン、パキスタン、スリランカ、トルコ、ベネズエラから行政官や大学教授が研修員として参加しました。

「省エネ研修」と聞き、私は各国のエネルギー関連の省庁や企業の方たちが研修員として参加すると考えていました。ところが、参加が決定した研修員の中には中小企業関連の省庁で働く方がいらっしゃいます。私はどうして中小企業関連省庁の方が省エネルギーについて学ぶのか、疑問に思っていました。

トルコの中小企業関連省庁で働くセーフさんの話を聞いて、私の疑問は解消されました。日本と同じく国内企業の大半が中小企業であるトルコでは、省エネを推進するにあたり個々の中小企業における省エネがとても重要です。しかし、経営者が省エネを重要と考えていなかったり、省エネに割く予算がなかったりと、トルコでは中小企業における省エネ推進には困難が多いそうです。

この話を聞き、私も「予算がない中で省エネをどのように進めるのか」ということを考えながら講義を聞いていました。限られた予算内で工夫を凝らして省エネに取り組む企業や子どもへの環境教育に取り組むNPOの講義を受けて、私は「省エネに必要なのはお金ではなく人々の意識である」と感じました。帰国後、省エネへの意識改善を目的とした活動を予定している研修員もおり、研修員も省エネへの意識の重要性を感じたのだと思います。研修員の活動によって、各国で省エネへの関心が高まること、エネルギーを大切にしようという意識が育つことを願っています。
(国際交流部 亀田、2016年4月入局)






【インターンシップレポート】大阪経済大学 竹平裕史さん

-PREX ではグローバル人材育成の一環として留学生、日本人学生のインターンシップを毎年5名ほどを受け入れています。9月5日から15日にかけて参加している大阪経済大学の竹平裕史さんの体験レポートをご紹介します。

大阪経済大学よりインターンシップ実習に参加している竹平裕史です。大学のゼミでは教育面での国際協力をテーマに、グローバル化する社会でどうすれば人材が輝けるかを学んでいます。

 PREXでの実習の中で、改善や5S、三方良しといった日本の経営手法が海外の研修員に高く評価されていることを知りました。実習2日目には、PREX事務所内の3S活動の取り組みも体験しました。PREXでは、職員がチームに分かれ、事務所内の清掃に取り組んでいます。みずから主となって動きやすい職場づくりができることを実感しました。

整理・整頓と小さな改善の効果を実際に体験することで、業務効率を上げることが習慣になり、生産性向上の第一歩につながります。こうした無数の実践しやすいアイディアやノウハウが日本企業には蓄積されていて、それ自体が財産になっているということを、研修を通して知ってもらえたらと感じました。

 実習も本格化し、中小企業振興のための経営強化・金融支援の研修に同行させていただくことになりました。PREXの研修は現場での学びを重視しているとうかがっています。研修員の皆様方の取り組みや解決策を得ようとする姿から、多くのことを学ばせていただきたいと思います。実習中の身ではありますが、研修に訪れた方たちが将来日本の企業とパートナーシップを結べるような、未来へつながる研修になるべく、精一杯お手伝いさせていただきます。


JICA中小企業振興のための経営強化・金融支援研修に同行し
振返りの様子を撮影する竹平さん


ヨルダンの研修員が省エネ情報発信のためのフェイスブックページを立ち上げました。

「JICA省エネ技術と技術普及のための行政の取り組み研修(A)」(2016年7月11日~8月5日)に参加していた、ヨルダンの研修員アナスさんが、省エネ情報発信のためのフェイスブックページを立ち上げました。 このページの立ち上げは、 本人のアクションプランにも記載されていた項目のひとつです。
日付を見ると7月中には準備をしていたみたいです。 このすばやさ、見習いたいと思います。
https://www.facebook.com/EnergySavingtoBetterLife/